Monthly Archives: 7月 2020

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チェルタルドと甘楽 一粒の麦が芽吹き、未来の世代へと豊かな実りをもたらした姉妹都市協定

イタリア文学の古典 ”デカメロン” の冒頭で作者ジョバンニ・ボッカチオが彼の故郷チェ
ルタルドについて ”小さな街だがすでに貴族や裕福な家族が暮らしていた...”と描写し
たとき、その数世紀後にこの街が日本の群馬県の甘楽町と姉妹都市提携を結び、国際文化交
流の中心地となることなどどうして想像できたでしょう。チェルタルドはトスカーナ州のな
だらかな丘陵地帯エルザ渓谷に位置するトルコオークの林に囲まれた美しい中世の街です。

一方、甘楽町は東京から100㎞北方に位置し、今から60年前に周辺の小さな町を合併し
甘楽町が生まれました。甘楽町の歴史の起源は大変古く、旧石器時代にまでさかのぼり、江
戸時代には絹織物産業の中心地として栄えました。甘楽町には江戸時代初期に造られた借景
庭園の ”楽山園” があり、街のかつての繁栄を色濃く残す歴史と調和に溢れた美しい風景
を誇る街です。

チェルタルドと甘楽町の姉妹都市提携の発端は、甘楽町での国際イベントに参加したイタリ
ア人作家がチェルタルド市との姉妹都市提携を提案、その後両都市の代表団同士の対話を経
て、1983年10月20日に友好親善姉妹都市協定がチェルタルド市のプレトリオ宮殿に
て批准されました。

姉妹都市提携を結んでから今日まで両都市の間では数多くの交流が育まれてきました。これ
まで日本の甘楽町を訪問したチェルタルドの使節団の派遣回数は10回、甘楽町からチェル
タルド市への使節団の訪問は17回にも及びます。実に2年ごとに両都市間では交換留学も
行われており、未来を担う世代の若者が国際交流の重要性を理解するうえでとても意義深い
ものとなっています。

大地に撒かれたひとつぶの麦が心を込めて育てられ、芽を出し、後には恵み多い麦畑となる
ように姉妹都市間の友情はこれまで育まれてきました。

チェルタルドと甘楽の間に生まれた確固たる友情は、常に二都市の代表団の交流を活気づけ
てきましたが、2013年10月に二都市の代表者と駐伊日本大使館の代表者との立ち合い
によってあらたに署名された姉妹都市協定の更新によって、その絆をさらに強いものにしま
した。

チェルタルド市は甘楽町から友情の印として、茶室 ”甘楽庵” を寄贈されました。この茶
室はイタリア在住の日本人アーティスト長澤英俊氏による作品で、いわば、”ホルトゥス・
コンクルスス (聖母の秘密の園) “ 東洋版として、プレトリオ宮殿の中庭に設置され、東洋
と西洋の完璧なまでの対話の場所を表現しています。”甘楽庵” がある中庭には日本の桜の
木が植樹されており、漆喰の壁と小さな盛り土の間で元気に育っており、細い敷石の小道の
先に木造の茶室が静かに佇んでいます。

Certaldo, Foto da SiViaggia.it

甘楽町では ”道の駅・甘楽” にてチェルタルドのあるトスカーナ州の雰囲気を味わうこと
ができます。”道の駅・甘楽” ではチェルタルド市から直輸入したワインやオリーブオイル
の直売コーナーがあり、ワインボトルを使った照明に照らされた店内では、毎月20日は
“ワインの日” と定め、日本ではここでしか手に入らないワインを紹介しています。また、
“道の駅・甘楽” のピザ工房のピザ窯のタイルはチェルタルドで製作されたもので、甘楽町
とチェルタルド市の二つの紋章が描かれています。このピザ工房では、実際にチェルタルド
市のピッツェリアで研修を終えたスタッフがピザを作っています。

2019年秋には、チェルタルドの異文化交流協会が日本の甘楽町のレストラン ”プレ
トーリオ” にて、トスカーナ州の伝統料理を教えながら日本料理を学ぶという研修滞在に
興味のあるトスカーナ出身のコックを公募しました。

二都市間の交流の中で特筆すべきことは、両国のイベント開催時には、代表団が必ず出席し
ていることです。姉妹都市提携35周年を迎え、チェルタルドの有名な大道芸の祭典 ”メ
ルカンティア” に甘楽町芸能使節団が出演しました。一方、甘楽町でもボッカチオに関す
る展覧会が催されるなど、相互交流が盛んです。

2015年には二都市の培ってきた絆をさらに強化するため、チェルタルド在住の日本人、
稲葉美代子氏が両都市の交流協会の一員となり、正式に甘楽町海外駐在員として任命されま
した。

友情、平和、文化交流を希求する心は、これまで常に二都市の関係を活気づけてきました。
チェルタルドと甘楽の市民たちは、人類の平和の構築に確実に貢献していると確信し、常に
未来に目を向け続けています。

チェルタルド ー 甘楽
1983年10月20日

チェルタルド
甘楽

トスカーナ州
群馬県

海洋性、地中海性気候
夏は暑く、冬は寒冷で湿度が高い

おススメスポット:
旧市街地区
ボッカチオの生家兼博物館
サンティ・ヤコボ・エ・フィリッポ教会

おススメスポット:
小幡城
楽山園
こんにゃくパーク

ご当地フード:
玉ねぎジャム
玉ねぎスープ

ご当地フード:
とどろく味噌
こんにゃく

執筆  Floriana Maci 
翻訳   土田 ゆかり (Yukari Tsuchida)

Websites:
www.comune.certaldo.fi.it
www.town.kanra.gunma.jp
www.scambiculturalicertaldo.it

By |7月 21st, 2020|ニュース|0 Comments

ミラノと大阪 二都市の多岐にわたる交流のすべて

姉妹都市提携は通常、二都市間の市民の交流を促進し、その生活の質を向上させることを目

的としています。そして、友好関係や意義深い活動を共にする、二つの異なる国の都市の関

係性を定義づける最良の手段と言えます。

大阪市とミラノ市は日本とイタリアにおいて、それぞれ、経済、産業、文化の観点から見て

大変重要な役割を担う都市です。

大阪市は4世紀の終わりごろに皇室の宮廷が置かれ、繁栄を極めました。日本の本州に位置

する大都市で大阪府の県庁所在地であるとともに、近隣の神戸市とともに、日本で二番目に

大きい都市圏を形成しています。大阪市はまさに、関西地方の最大の原動力となる都市であ

り、重要な鉄道、幹線道路の要衝都市です。また、イタリア人建築家レンゾ・ピアノ氏が設

計した国際空港もあり、空港全体が人工島に建設された日本の西の空の玄関として知られて

います。さらに大阪市には主要な大学、研究機関が多数あり、文化的な面から見てもとても

重要な都市です。

大阪市は江戸時代からすでに、日本の伝統的な食文化の中心地でもあり、現在ではミシュラ

ンの星を獲得した星付きレストランが80以上も存在しています。江戸時代には “天下の台

所” との別名を持ち、日本の食文化の首都と言っても過言ではなく、“回転すし” はまさに

この大阪で誕生しました。2025年には、大阪万博開催が予定されており、そのテーマは、

“Designing Future Society for our Lives” です。

1981年4月10日、昭和56年、日本とイタリア、両国の経済をけん引する二都市、大阪市とミ

ラノ市との間で姉妹都市盟約が批准されました。1974年にすでに、二都市の姉妹都市盟約

締結を推進する活動として、大阪出身の若い女性数人がミラノのヴィットーリオ・エマヌ

エーレ2世のガッレリアを歩きながら、ミラノ市民にうちわを配る様子と姉妹都市提携の仮

証明書のアップが映されたビデオが、イタリア国立ルーチェ・フィルムアーカイブに所蔵さ

れています。

一方、イタリア、ロンバルディア州の州都ミラノはイタリアの経済の中心地として歴史的に

もその地位を確立してきました。また近年では、金融の中心地としても機能しています。

ローマ帝国時代には、“メディオラルム” という名称を持ち、12世紀にはすでに自治都市と

して発展していました。

ミラノは第二次世界大戦で破壊されましたが、近代的な都市として再生を果たし、ファッ

ションと産業デザインの都として大きく成長してきました。文化的価値の高い数々の芸術的

遺産にも恵まれ、多数の公立、および私立大学も有するため、文化的観点から見ても、ミラ

ノはとても活気のある都市です。在ミラノ日本領事館が企画する活動の中心として、まさに

ミラノの各大学との連携により、数々のプロジェクトが生まれており、この取り組みのおか

げで、両都市の大学間の交流が維持され、大学同士の流動的な友好関係を促進していると言

えます。

1983年には、大阪国際ファッションフェスティバルの開催に際し、ミラノの著名なデザイ

ナー達が審査員として招聘され、また1989年のワールド・ファッションフェア ’89にもミラ

ノから多数の業界関係者が参加しました。

姉妹都市盟約締結を祝う10周年、15周年、25周年の記念式典の際に、両都市の代表団によ

る表敬訪問、展覧会、伝統芸能の催し等の様々なイベントが行われました。

2011年には30周年を記念し、ミラノにある日本食レストラン協会が主導し、ミラノ市民に

大阪の本当の味を提供するイベントを開催し、味覚における姉妹都市提携を提案。同年、大

阪では、イタリアの民間企業として初めて地図製作を行ったデ・アゴスティ―二社と共同

で、デ・アゴスティ―二家が所有する貴重なミラノ市、ロンバルディア州、日本の古地図の

復刻版の地図展が開催されました。

2015年に開催されたミラノ万博では、日本パビリオン館内で “ブオンジョルノ大阪” と題

されたパネル展示が行われました。ミラノと大阪、二つの姉妹都市の間で育まれた交流の歴

史、芸術文化の交流、二都市の代表団による表敬訪問の様子、姉妹都市提携している大阪市

立工芸高校とミラノのブレラ国立芸術高等学校の二校の交流の様子等が展示されました。

2016年には、姉妹都市盟約締結35周年を記念したイタリア音楽のコンサートが大阪市役所

にて行われました。同年10月には、大阪の市立小学校にて “ミラノ給食デー” が設けら

れ、給食のメニューにミラノカツレツ、ミラノ風リゾットが登場しました。また、ミラノの

日本愛好家であるアルベルト・モーロ氏による写真展 “ミラノ市民が見た大阪とミラノ”が

両市にて開催されました。

ミラノ、大阪の二都市間の外交関係を強化することを目的とした最新の企画事業は、ミラノ

の東洋学協会の構想によって始まった、“ミラノ・ジーニアス2019” です。これは、ミ

ラノ自治体と大阪イタリア文化会館が支援するプロジェクトで、アート、イノベーション、

カルチャーの交流を推奨し、イタリアと極東アジア間の文化交流と相互協力を推進すること

が目的です。

日本とイタリア両国の副首都として機能する二都市、ミラノ市と大阪市の姉妹都市関係を育

むキーワードは “活力、才能、革新” ということができそうです。

ミラノ  ー 大阪
1981年4月10日

ミラノ
大阪

ロンバルディア州
大阪府

おススメスポット:

スフォルツェスコ城

私邸博物館

ドゥオモ

おススメスポット:

大阪城

国立文楽劇場

海遊館

ご当地フード:

ミラノ風カツレツ

カッソーラ(豚とキャベツの煮込み)

ご当地フード:

しゃぶしゃぶ

お好み焼き

ミラノ
大阪

執筆  Floriana Maci 
翻訳   土田 ゆかり (Yukari Tsuchida)

Websites:
www.iicosaka.esteri.it
www.archivioluce.com

By |7月 7th, 2020|ニュース|0 Comments